性犯罪の認知件数増 犯罪白書、特別調査も

2025年1228 福祉新聞編集部

法務省は12月19日、2025年版犯罪白書を公表した。24年の刑法犯の認知件数は前年比4・9%増の73万7679件。増加は3年連続となる。性犯罪の伸びが目立ち、不同意性交等は同45・2%増の3936件だった。23年7月施行の改正刑法により処罰要件が明確化されたことが要因とみられる。

被害申告率、依然低調

今回の白書は二つの特別調査の結果を収めた。一つは警察に認知されていない犯罪の件数(暗数)を含んだ調査だ。00年に開始し、今回が6回目。24年1~2月にかけて16歳以上の男女約7000人が回答した。

犯罪被害の申告率を被害の態様別にみると、自転車盗(57・5%)など窃盗被害で上昇傾向にある一方、性的被害(25%)やストーカー行為(33・3%)は上昇してはいるものの依然として低かった。

障害の有無で比較調査

もう一つは性犯罪被害の特別調査だ。23年6月時点で有罪判決が確定した事件のうち、精神障害のある被害者176人と、精神障害のない349人を初めて比較調査した。

精神障害のある被害者の7割が知的障害、2割が発達障害のある人で、加害者は支援関係者(33%)が最も多く、面識のない人は29・5%だった。

それに対し、精神障害のない性犯罪被害者の場合、加害者の6割は面識のない人だった。支援関係者は2・3%、雇用主などは2%に過ぎなかった。

こうした結果を踏まえ、白書は障害者の場合、支援者であっても1対1にしないようにすることを求めた。

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