〈熊本地震〉緊急対応から”出口支援”へシフト 17県のDWAT25チームが対応

2026年0823 福祉新聞編集部
八代市のトヨオカ地建アリーナで打ち合わせをする熊本県DWATのメンバーら=8月2日、全社協提供

 熊本地震は20日で発生から23日が経過した。高齢者や障害者らを支援する災害派遣福祉チーム(DWAT)は発災翌日から活動を開始。被害の大きかった3地域に拠点を置き、17県の25チームが対応に当たっている。今後は日常生活への移行を見据え、避難所からの「出口支援」へ軸足を移しつつある。

活動は翌日から

 発災翌日の29日早朝、社会福祉法人職員らで構成する熊本県DWATは被災自治体に立ち寄った上で、避難所などで情報収集に当たった。同時に授乳室の設置など避難所のアセスメントも実施。連絡が取れない福祉施設を訪問したり、車中や自宅で避難する人に声を掛けたりした。

 一方、同日午後1時には、全国災害福祉支援センターの職員1人が熊本県庁に到着し、DWAT本部の立ち上げに向けた支援に入った。センターは全国社会福祉協議会が2025年10月に設置。各都道府県DWATとの調整など被災県DWAT本部を支える役割を担う。「被害がつかめない中、県に要請して1部屋を確保するところからスタートした」(同センター)という。

県外DWATも続々

 県によると、発災翌日の午前9時半時点で、県内には465カ所の避難所が開設されており、約9900人が身を寄せていた。

 30日には県庁内にDWAT本部が設置され、31日から熊本に近い九州、中国、四国各県のDWAT派遣に向けて調整。8月3日に福岡などの九州ブロック、7日に香川など中国・四国ブロックのDWATが続々と熊本入りした。

 9日には被害が大きかった八代、氷川、宇城にある避難所でのアセスメントを終え、17日までに17県の25チームが3拠点を中心に活動する体制を構築。いずれも熊本県DWATがリーダーを務め、各県DWATは担当拠点を固定することでスムーズな引き継ぎができるようにしている。

顔の見える関係

 政府は防災体制を強化するため、2025年に災害対策基本法などを改正。避難所だけでなく、自宅などで避難生活を送る人も含めた福祉支援の充実を打ち出した。新たなガイドラインは発災から72時間以内に支援の調整を始めるよう規定しているが、今回は発災翌日から支援が始まった。

 また、センターが発足したことで、情報集約や県外DWATとの調整も円滑に進んでいる。専門部署として災害派遣医療チーム(DMAT)など他団体と顔の見える関係を築いたことも大きいという。

生活再建へ軸足

 5日からはDWATとは別に、人手不足に陥った県内の福祉施設がセンターに直接職員派遣を要請する仕組みも始まった。17日までに14施設から依頼があり、マッチングを進めている。

個別支援に重点

 発災から20日が経過し、避難所は段階的に統合されており、16日時点で80カ所を切った。DWATは現在、個別支援に重点を置き、要配慮者への対応や移送調整、罹災りさい証明手続きの後押しなどをする。また、自治体や社協とも協働して在宅避難者への支援に、より力を入れる予定だ。

 今後は発災直後の緊急対応から、避難者が地域での生活に戻るための出口支援へ軸足が移る。同センターは「地域移行した際に支援が途切れないよう、事前に地域の関係機関と連携するなど、生活再建を見据えた支援が求められている」と話している。

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