防災庁設置法が成立 災害対策の司令塔に
2026年07月18日 福祉新聞編集部
災害対応の司令塔となる防災庁の設置法と関係法の整備法が13日、参議院本会議で可決、成立した。首相を組織の長とし、事務を総括する防災大臣を置く。防災に関する基本方針の策定や、大規模災害に対処するための企画立案・総合調整を担当するほか、省庁への勧告権を持つ。施行は一部を除いて年内の政令で定める日。
政府は現在の防災部門を改組して予算や人員体制を強化する。220人の内閣府防災を1・6倍の352人体制に増やす。地方機関の「防災局」も置く。民間を含む人材の育成にも取り組む。防災大学の設置を検討する。
基本法に理念追加「良好な生活環境」
防災庁設置に伴う関係法の一つ、災害対策基本法には基本理念を2点追加した。
一つは災害リスクの事前評価だ。災害が国民生活に及ぼす影響を調査し予測する。もう一つは被災者援護の留意点で、「すべての被災者がその被災地にかかわらず、できる限り、良好な生活環境をあまねく享受できるようにすること」とした。
避難生活のストレスなどによる災害関連死を防ぐことを意識して「生活」という文言を条文に盛り込んだ。避難所だけでなく、在宅避難の人や車中泊する人も念頭に置いた。
DWATは機能強化
参院では特に障害者の避難生活の問題が論点となった。付帯決議では、防災庁が障害当事者の参画のもとで防災施策を検討すること、事前防災の取り組みに障害当事者の参画を促すことを求めた。
災害関連死防止に関連し、介護福祉士ら専門職による災害派遣福祉チーム(DWAT)を強化するよう求める意見も相次いだ。高市早苗首相も6月26日の委員会でDWATの重要性を答弁した。
DWATの登録者は全国で約1万1000人。発災時は被災自治体からの派遣要請を受け、1チーム約5人が5日間ほど避難所などで活動する。
障害者らの福祉ニーズを把握し、生活機能の低下を防ぎながら安定した生活に移るよう支える。6月に成立した改正社会福祉法により、今後は国が研修と登録事務を担う。
神奈川県は能登半島地震での派遣実績を踏まえ、平時から要配慮者へのアセスメントを模擬訓練する必要があると判断。6月24日、1都5県で合同訓練を行った。

