明星大が強度行動障害支援者養成研修を開始 福祉法人とも連携
2026年06月10日 福祉新聞編集部
自閉症や知的障害のある人の一部に見られる自傷行為などの「強度行動障害」をめぐり、福祉人材を養成する東京都日野市の明星大は今年から、強度行動障害支援者養成研修を始めた。同大によると、大学が同研修を実施するのは初めてだ。社会福祉法人とも連携することで理論と実践を融合した研修を提供し、年2回ペースの開催を見込んでいる。
同研修は国のカリキュラムに基づき、都道府県が事業者を指定しして実施。強度行動障害のある人を受け入れる障害者支援施設やグループホームの職員が対象で、アセスメントに基づいた適切な支援に必要なノウハウを講義や演習で学ぶ。
都内23区と島しょ部を除いた多摩地域には障害者支援施設が多く立地する。同地域にある同大はこうした施設で働く職員に貢献できればと、同研修の実施を決断。また、障害福祉分野に就職する学生が一定数いる現状もあり、研修を履修科目の一つに位置付けることも見据える。
第1回となる研修を2月27日~3月1日に開き、施設職員や学生ら77人が受講。同大の教授陣が講義に当たり、グループワークでは事例を分析しアセスメントに基づく支援計画を立て、実施内容を評価した。
各グループにはファシリテーターとして、放課後デイサービス「トゥモローランド」(神奈川県開成町、社会福祉法人一燈会)の石飛信彦施設長や、障害者支援施設「清瀬育成園ひだまりの里きよせ」(東京都清瀬市、社会福祉法人東京都手をつなぐ育成会)の赤川剛施設長らが同席。現場での実践知を共有するなどし、特性に応じた支援や強度行動障害を引き起こしている環境要因の調整についてアドバイスしていた。
研修の実施に尽力した同大福祉実践学科の縄岡好晴准教授(障害臨床学)は「研修内容に準じた支援が着実に実施できるよう、修了者へのフォローアップも重要だ」と強調。具体化が進んでおり、同大は6月20、21日、支援者向けの研修を主催する団体「自閉症eサービス@TOKYO」と共催で、修了者を対象に実践的なセミナーを開催する。
強度行動障害がある人への支援をめぐり、国は施設内で適切な支援を進めるリーダー役となり、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園(群馬県高崎市)による所定の研修を受けた「中核的人材」や、困難事例を抱える施設に出向いて助言したり、地域の支援体制づくりをリードしたりする人材として都道府県が登録する「広域的支援人材」を配置するなどして対応する考えだ。

