拡大読書器の補助増額は90市町村 価格上昇で負担重く〈日視連調査〉

2026年0520 福祉新聞編集部
人気のある携帯型の拡大読書器

 視覚障害者が本や書類を読むときなどに使う拡大読書器について、日本視覚障害者団体連合(日視連)は、市町村による購入費の給付基準額(補助上限額)を調べた結果をウェブサイトで公表している。物価高などの影響で拡大読書器の価格が値上がりしているが、3月時点で従来の補助上限額19万8000円から増額していたのは89市町村だった。

 拡大読書器はすべて海外製。据え置き型と携帯型があり、読み上げ機能付きもある。障害者総合支援法(2013年4月施行)で暮らしに必要な機器と位置付けられ、日常生活用具給付として身体障害者手帳保持者に原則価格の1割を自己負担とした上で、市町村それぞれが上限額を定めて補助している。

 補助上限額は約30年前から19万8000円が標準とされてきた。ただ、拡大読書器の価格が上昇し、据え置き型では30万円近い機器もある。購入者は1割負担に加え、補助上限を超えた額を負担しなければならず、負担が重くて購入を諦める人もいる。

 日視連の調査では、補助上限額が高額なのは神奈川県大和市、名古屋市の26万9000円。次いで北海道音更町、東京都東久留米市、石川県中能登町、大阪市の26万8000円。東京都八王子市は身体障害者手帳1、2級が40万円だが、3~6級は19万8000円。

 日常生活用具給付は市町村が実施しており、各地で日視連の加盟団体などが補助上限額の増額を働き掛ける必要がある。日視連は「今回、当事者団体が調査したことで自治体に気付きを与えることができ、交渉の余地ができた」と捉え、調査結果を市町村との交渉に活用してほしいとしている。

点字図書館で展示・販売

 東京・高田馬場にある日本点字図書館では約20種類の拡大読書器を展示、販売している。高齢者の利用が多く、携帯型を中心に月約30程度の購入がある。

 この日、来館した視覚障害のある60代女性は、読み上げ機器を見にきたついでに拡大読書器も試用した。「勉強になった。実際に見てみると違う。書類整理や読書のため拡大読書器の購入を検討したい」と話した。

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