介護職員の賃上げさらに 財政審で財務省が方針

2026年0517 福祉新聞編集部

 財政制度等審議会財政制度分科会が4月28日に開かれ、社会保障をテーマに議論した。財務省は2027年度の介護報酬改定に向け、生産性を向上させて収益を増やすことで、介護職員の賃上げを行う重要性を強調。一方で、介護サービスの利益率は他産業よりも高水準だとして、介護報酬の適正化を進める考えを示した。

 00年に始まった介護保険制度は、介護費用と保険料がともに大幅に増加している。26年度の介護費用は14兆6000億円と制度創設時の4倍に拡大。40~64歳が負担する保険料も月額6360円と3倍に増えた。

 今後も85歳以上の人口は増加することから財務省は会合で、2割負担する対象者の拡大に加え、介護人材の処遇改善や生産性向上、給付の効率化を進める方針を示した。

 26年度の期中改定では、介護従事者全体に月1万円の賃上げを実施。さらに生産性向上に取り組む事業所の介護職員には月7000円を上乗せした。

 財務省は、こうした生産性向上の取り組みを通じて事業所の収益を改善し、さらなる賃上げや生産性向上への再投資につなげたい考えを示した。

 実際、生産性向上の要件の一つである「ケアプランデータ連携システム」の導入率は、26年3月時点で28%まで上昇した。これは事業所間のケアプランのやり取りをオンラインで完結するもので、作業時間を3分の1程度に削減できたという。

 財務省は、生産性向上を進めるためには、職員の賃金面でインセンティブ付けすることが有効だと指摘。介護記録ソフトの導入なども要件の対象に加えるよう見直しを求めた。

 一方、介護全体の収支差率は6・8%で、中小企業平均の3・8%を上回っているのが現状だ。ただ、特別養護老人ホームの収支差率は2%とばらつきもあることから、サービス類型に応じた介護報酬の適正化が必要との認識を示した。

 このほか財務省は、要介護度の改善を評価するケアマネジメント報酬の導入や、低所得入所者に対する食費などを軽減する「補足給付」の見直しも求めている。

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