最高裁、旧警備業法の欠格条項は「違憲」 成年後見制度利用者の就業で
2026年03月01日 福祉新聞編集部
成年後見制度を利用している人は警備の仕事をできないとした旧警備業法の規定(欠格条項)は憲法違反だとして30代の男性が国に賠償を求めた訴訟で、最高裁判所大法廷(今崎幸彦裁判長)は2月18日、憲法で保障する職業選択の自由、法の下の平等に違反していたとする初の判断を示した。一方、欠格条項を改廃する立法措置をとらなかった国の賠償責任は認めなかった。
軽度知的障害のある男性は工事現場などで交通誘導と警備をしており、業務に問題はなかった。親戚の経済的虐待から保護するため成年後見制度を利用して被保佐人となったが、2019年に改正される前の警備業法には被保佐人などは警備員になれないとする欠格条項があり、男性は退職を余儀なくされたため、18年1月に欠格条項が憲法に違反するとして国を提訴した。
判決では1982年に旧警備業法に欠格条項が規定された時、2002年に改正警備業法で能力を個別に審査する規定が設けられた時は違憲ではなかったとした。その後、14年の障害者権利条約の批准、16年の障害者差別解消法の施行などがあり、障害者を取り巻く社会や国民の意識の変化が生じ、遅くとも原告が退職した17年3月までには欠格条項による不利益は看過しがたいものになっていたと判断した。1審、2審判決では欠格条項を規定した1982年時点で違憲としていたが、最高裁判決は違憲となった具体的な時期には触れなかった。
また、社会や国民の意識の変化は客観的に判断できないことなどを理由に挙げ、国が長期にわたり欠格条項を改廃する立法措置を怠ったとは言えず、国に責任はないと結論付けた。ただ、15人の裁判官のうち5人は国に責任があると反対意見を持っていた。
判決後の会見で男性は「違憲が認められてうれしい」と話し、同席した熊田均弁護団事務局長は「国の責任が認められなかったのは残念だが、今後の障害者制度でこういう形の過ちを二度と起こさないよう国は責任を持ってほしい」と述べた。

