認知症施策計画、策定済み市区町村9% 当事者「自分事として進めて」
2026年01月17日 福祉新聞編集部
政府の認知症施策推進関係者会議が8日に開かれ、2024年1月施行の認知症基本法に基づく認知症施策推進基本計画の実施状況報告と意見交換が行われた。
国の基本計画を踏まえて策定することが努力義務となっている自治体の計画について、25年4月時点で策定済みの都道府県は19カ所(40%)、市区町村は154カ所(9%)だった。
大半の自治体は27年度に始まる第10期介護保険事業(支援)計画を見据えて策定予定としており、都道府県で28カ所(60%)、市区町村では1541カ所(89%)あった。
基本法は認知症になってもできること、やりたいことがあり、希望を持って暮らすことができる「新しい認知症観」を打ち出し、計画の立案、施策の実施や評価に認知症の人や家族が参画することを求めている。策定を予定している市区町村のうち、31カ所(2%)は認知症の人や家族から意見を聞くことに課題があると答えた。
また、策定未定の市区町村が46カ所(3%)あり、大半は小規模町村で人手不足が理由とされる。厚生労働省は策定に向けた支援を継続していく。
同日は厚労、文部科学、経済産業、国土交通省などが認知症施策の取り組み状況を報告。厚労省は基本計画の重点目標達成に向けた新たなKPI(目標の達成度合いを定量的に評価する指標)の検討を進めていることなどを示した。
認知症当事者の委員からは「一方的な対策ではなく、自分事として考えて取り組みを具体的に進めてほしい」(藤田和子日本認知症本人ワーキンググループ相談役理事)▽「中重度の認知症の人も環境や配慮があれば思いを伝えられる。参加できる仕組みを広げてほしい」(春原治子さん)▽「新しい認知症観は立場によって見方が違う。擦り合わせていくことが大事」(戸上守さん)らの発言があった。

