連携推進法人、社会福祉事業も可能に 過疎地のサービス維持で

2025年1223 福祉新聞編集部

15日の社会保障審議会福祉部会(部会長=菊池馨実早稲田大理事)で厚生労働省が提示した報告書案には、一定の要件を満たせば社会福祉連携推進法人が社会福祉事業などを行えるようにする方針も盛り込まれた。

現在、連携推進法人が行えるのは、主に地域福祉の推進や災害時の支援、人材確保など6業務に限定されている。しかし人口減少が進めば過疎地域などでは法人単独での事業実施が困難になる可能性もある。

そのため報告書案は、一定の要件を満たせば社会福祉事業などを行えるようにすることが必要だと訴えた。ただ、第一種社会福祉事業は対象外とし、第二種社会福祉事業や社会福祉を目的とするサービスの範囲とする。

同時に、過疎地などで社会福祉事業を維持するため、既存施設を有効活用できるようにする。土地や建物の所有要件に関する規制を緩和。土地や建物などを貸与された新たなサービス主体が参入できるようにする。さらに解散時の財産の帰属先に自治体を追加した。

また、災害に備えた福祉的支援体制について報告書案は、平時から災害派遣福祉チーム(DWAT)として派遣される福祉従事者を育成するための研修や訓練など行う必要性について触れた。現状ではDWATに関する法制度がない点も問題視している。

さらに報告書案は共同募金の寄付募集禁止規定の撤廃を求めた。

配分を受けた団体はその後1年にわたり必要な資金を得るために独自の寄付金を募集できないという規定について「時代にそぐわない」と指摘した。

一方、介護福祉士養成施設卒業者が国家試験に不合格でも、資格を取得できる特例の経過措置を延長するかどうかについて、報告書案は結論を出さず両論併記とした。委員の意見が分かれたことを踏まえ、必要な対応を求めるにとどまった。

厚労省によると、経過措置の延長について厚労省に一任されたことから、結論は改正法案を国会に提出するタイミングになるという。

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