厳格化指示確認できず 障害年金不支給判定急増で調査〈厚労省〉
2025年06月24日 福祉新聞編集部
厚生労働省は11日、障害年金の不支給が2024年度に急増したとの報道を受けて行った調査の報告書を公表した。無作為抽出した24年度の新規申請1000件のうち不支給とされたのは13%あり、前年度より4.6ポイント増えた。障害別にみると精神障害の不支給は12.1%で、前年度の6.4%から大幅に割合が増加した。
一方、障害年金の要件を厳しくするよう指示があったと報じられたことについて、日本年金機構障害年金センター職員らへのヒアリングにより、組織的な指示や対応があった事実は確認できなかったとした。
障害年金は申請を受けてからセンター職員が事前確認票などを作成し、認定医が事前確認票も参考にしながら支給可否や障害等級を判断している。精神障害については客観的な指標による評価が難しいため、ガイドラインや障害等級の目安を定めている。
調査では精神障害の不支給の割合が大幅に増加したことについて「目安より低い障害等級に認定されて不支給となっているケース」などが75%を占め、前年度の45%と比べて増えていることが要因とされる。
厚労省は今後、より客観的で公平な審査を行うため、すべての不支給となったケースについて複数の認定医が審査する。精神障害については過去の不支給が適切だったか点検し、センター職員が作成する事前確認票にある障害等級案の記載は無くす。また、審査書類に判断理由が明確に記載されておらず申請者に分かりにくいため、より丁寧に記載するよう徹底する。