処遇改善、他職種並みに 介護・障害で人材確保〈骨太の方針〉
2025年06月21日 福祉新聞編集部
政府は6月13日、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2025」を閣議決定した。「物価上昇を上回る賃上げ」を柱とし、医療・介護・保育・福祉の人材確保について「保険料負担の抑制努力を継続しつつ、公定価格の引き上げを始めとする処遇改善を進める」と明記した。介護・障害福祉分野については「他職種と遜色のない処遇改善や業務負担軽減に取り組む」とした。2025年末までに結論を出す。
処遇改善に関連する記述がたびたび登場するのが今回の特長だ。「他職種と遜色のない」という文言は6日の原案にはなく、最終版に追記された。
一過性の処遇改善にとどまらないという姿勢も打ち出した。医療・介護・保育・福祉の公定価格について、「制度の特性に応じた定期的な改定ルールを設け、足元の物価上昇に的確に対応できる仕組みづくりを行う」とした点からうかがえる。
毎年の国の予算編成における社会保障関係費にも踏み込んだ。従来、自然増は高齢化や医療技術の高度化による伸びを指していたが、今回は自然増に経済や物価の動向を含めることを明確にした。
病床削減の合意も
自民、公明、維新の3党による社会保障改革の合意(6日)も最終版に盛り込んだ。3党は2年間で約11万床削減し、医療費1兆円を減らすとした。骨太の方針は病床削減を明記したが、その数字までは記さなかった。
ほかに共生・共助関連で「就職氷河期世代への支援」「身寄りのない高齢者への支援」「NPOと連携した若者支援」「居住支援を含んだ生活困窮者自立支援制度の機能強化」といった事項を盛り込んだ。
骨太の方針の副題は「『今日より明日はよくなる』と実感できる社会へ」。石破内閣肝煎りの地方創生や防災に関連した記述が多く、「人を中心とした国づくり」「ふるさとへの思いを高める」を主眼とした。