介護に新たな価値を 都内で魅力発信イベント

2025年0305 福祉新聞編集部
開会のあいさつをする石本理事(右)

現役の介護職員が自ら介護の魅力を発信する活動を全国に広げようと、一般社団法人KAiGO PRiDE(東京)が2月20、21日、都内でイベントを開いた。企業が持つノウハウを高齢者介護の現場に取り入れたり、介護現場の視点を企業の製品開発に生かしたりすることによって新たな価値を創ろうと呼び掛けた。

初日は会場に介護職や企業、行政の職員ら約60人が集まり、オンラインでの中継は500人弱が視聴した。

主催団体の理事で、社会福祉法人リデルライトホーム(熊本市)の特別養護老人ホームで施設長を務める石本淳也さんは「介護にまつわるネガティブなイメージを転換することが、誰もが安心して暮らせる社会につながるのでは」とあいさつした。

そのためには介護職が介護の魅力に気付き、言語化して発信することが不可欠と判断。そのノウハウを伝える同団体の講座が厚生労働省の事業に採択され、すでに300人超を「アンバサダー」に認定したという。

それにより、全国14カ所で介護職と高齢利用者が共演するファッションショーなど、それぞれのご当地イベントが開催されている。

これに経済産業省も呼応し、今回のイベントを後援した。認知症の人が企業の製品開発に参画することを促す同省の「オレンジイノベーション・プロジェクト」に関連し、ヘルスケア産業課の担当者は「認知症基本法に基づく国の基本計画では、製品開発に参加した人の数が指標になっている」と紹介した。

KAiGO PRiDEは2020年12月に設立。厚労省の「介護の魅力発信プロジェクト」として19年に始めた活動を発展させようと、介護職を被写体とした写真展の開催や映像制作などに取り組んでいる。