現役世代の負担軽減 経団連が政策提言

2024年1218 福祉新聞編集部
記者会見する十倉会長(経団連ウェブサイトより)

日本経済団体連合会(十倉雅和会長)は9日、2040年に向けた政策提言「フューチャー・デザイン」を発表した。社会保障については、現役世代に負担が偏る社会保険料の割合が大きい点を見直すべきだと指摘。税と社会保険料を合わせた国民負担の在り方を一体的に見直す新たな会議を設置すべきだと訴えた。

提言は人口減少と高齢化が進む中で目指すべき国家像として、多様性が尊重される持続可能な社会や、分厚い中間層の形成などを掲げた。その上で、全世代型社会保障や地域経済社会など六つの施策を提案している。

社会保障については、全世代がともに支え合う中福祉・中負担程度の社会保障制度を構築すべきだと指摘。この20年で社会保険料、税による負担により現役世代の可処分所得が下がっている点などを問題視した。

その上で提言は、税と社会保険料を合わせた国民負担の在り方を一体的に見直す「税・社会保障一体改革推進会議」を設置すべきだと主張。具体的に超富裕層への課税強化や、所得だけでなく資産にも着目した負担などを挙げた。

それでも財源が確保できない場合には、消費増税や企業の負担増などを提案した。ただ負担増のタイミングや逆進性対策には配慮を求めている。

同日の会見で十倉会長は「世界で進む分断の根幹には格差の固定化と拡大がある。賃上げももう一段進める必要がある」などと述べた。