かかりつけ医機能で介護連携も報告事項に 厚労省が具体案作成

2024年0730 福祉新聞編集部

厚生労働省は19日、2025年度に始める「かかりつけ医機能」に関する報告制度の具体案をまとめた。医療機関が都道府県に報告する内容の柱の一つに「介護サービス事業者と連携した医療提供」を位置付けた。医療機関は介護保険施設での医療提供を報告するため、協力医療機関となっている施設名を記入する。

地域ケア会議への参加、ケアマネジャーとの情報共有といった点も報告事項とする。かかりつけ医を必要とする患者の範囲には障害児・者、医療的ケア児、難病患者であって継続的な医療を必要とする人を含める。介護や障害福祉との関わりを強く意識した報告制度になる見込みだ。

昨年11月から具体案を検討してきた有識者会議が同日、大筋で了承した。厚労省は今後、制度開始に向けてガイドラインの作成に取り組む。

報告制度は23年5月に成立した健康保険法などの一部改正法によって創設する。各都道府県が病院などに対し、かかりつけ医の機能があるかどうかや診療できる疾患を毎年報告してもらう。

主に、複数の慢性疾患や介護ニーズを持つ高齢者を支える機能を明確にし、その機能を果たせる医療機関の情報をウェブサイトに掲載する。患者の医療機関選びに役立ててもらうのが狙いだ。

障害者が情報にアクセスしやすいよう配慮することや、かかりつけ医機能について話し合う地域協議会に障害者団体が参画することも促す。