児童養護施設で子育てサロン 地域のよりどころに(名古屋)

2024年0717 福祉新聞編集部
施設職員(奥3人)のサポートを受け七夕飾り作りを楽しむ親子

地域の子育て家庭のよりどころになればと、名古屋市昭和区の児童養護施設「駒方寮」(二つの地域小規模施設含め定員51人、社会福祉法人昭徳会)は6月、本体施設で子育てサロンを初開催した。親子で楽しめる季節の遊びを提供し、年3回平日の午前中に実施していく方針だ。

「地域との共存」を掲げる駒方寮では児童指導員ら職員5人でつくる地域貢献委員会を設置しており、さまざまなイベントを企画している。

昨秋には、施設で暮らすこどもとその友達らが仮装して施設近くの商店街を歩き、お菓子をもらう「ハロウィンウオークラリー」を開催。参加した保護者に「駒方寮に期待すること」を尋ねたところ、子育て支援に期待する声が多く寄せられた。

この思いを受け止める形で企画したのが子育てサロン「こまちゃんわくわく広場」。季節の遊びを一緒に楽しみながら、息抜きや情報交換できる場として1階の地域交流スペースを約1時間開放。定員は0~3歳のこどもと保護者10世帯。準備や当日の進行は地域貢献委員会に所属する職員が担う。

近隣の福祉施設や保健センターを通じて参加を呼び掛け、初回の6月26日には5組の親子が参加した。昭和保健センター職員による歯磨き教室の後、親子は短冊に願い事を書いたり、夏野菜のピーマン、ゴーヤ、キュウリなどを使った「野菜スタンプ」で模様を付けたりして織姫と彦星の七夕飾り作りを楽しんだ。

濵田光男施設長は「閉鎖的な施設ではなく、地域に溶け込んでいる施設でありたい。職員の視野が広がるきっかけにもなれば。社会資源として今後も地域に貢献していく」と力を込める。

子育てサロン以外では、昭和区の重層的支援体制整備事業の一環で、引きこもりや社会から孤立している人らが集う場「つながりづくりの拠点」にもなっており、同区社会福祉協議会と連携しながらさまざまな課題を抱えた人の社会参加を支援している。