資金、人材の有効活用 社会福祉法人経営者協議会が規制改革会議WGで提言

2024年0512 福祉新聞編集部

政府の規制改革推進会議健康・医療・介護ワーキング・グループが4月26日に開かれ、介護・保育・障害福祉サービス事業者の経営力強化について関係団体などにヒアリングした。全国社会福祉法人経営者協議会は、合併や事業譲渡などを含めた経営の多角化を図るためには、制度や分野を超えた経営資源(資金、人材、設備など)の有効活用、手続きの標準化が必要だと提言した。

出席した経営協の平田直之副会長は制度面の課題として、各制度で資金の使途制限が異なるために柔軟な事業展開ができないことを挙げた。例えば特別養護老人ホームはほかの社会福祉事業への資金の繰り入れができるが、保育所や措置施設は制約がある。また、職員の専門ノウハウや施設設備を効率的に活用できないこと、制度ごとに賃金改善の仕組み(加算など)が異なることも課題とした。その上で資金の融通、制度ごとの人員配置・設備基準の弾力化、施設整備補助金のローカルルールの是正を行うよう求めた。

手続き面の課題としては、法人認可と事業ごとの認可・指定が必要で事務負担が大きく、時間もかかることを挙げた。さらに所轄庁によって合併や事業譲渡の理解に差があることも指摘。手続きの標準化、DX(デジタルトランスフォーメーション)化の促進、窓口の一本化が必要だとした。

会議には山口県の社会福祉法人むべの里光栄も出席。2021年に法人合併した経験を踏まえ、より実践的なマニュアルの整備、各手続きの処理期間の明確化、管轄庁向けの相談窓口の設置などを提案した。