60年度の対GDP比が倍増 内閣府が医療・介護費を試算

2024年0415 福祉新聞編集部

内閣府は2日、2060年度までの社会保障費と財政状況の試算を経済財政諮問会議で報告した。実質成長率が年0・2%の現状の経済状況が続く場合、医療・介護給付費が、対国内総生産(GDP)比で60年度に最大16・1%となり、19年度(8・2%)からほぼ倍増すると試算した。

 

医療・介護の制度を持続させるには、給付と負担の改革を進める必要があるとした。岸田文雄首相は「実質1%を上回る経済成長を実現するとともに、今後3年程度で必要な制度改革を含め、集中的な取り組みを講じていく」と述べた。

 

内閣によると、団塊ジュニア(1971~74年生まれ)が全員85歳以上になる2060年度までの社会保障と財政の長期推計を示したのは初めてとなる。

 

今後の改革として想定されるのはDX(デジタルトランスフォーメーション)の活用、地域の実情に応じた医療・介護の提供体制の構築による「給付の効率化」だ。医療・介護の自己負担割合の引き上げも避けられない情勢だ。