緊急時の応援協定 県内2市の訪問介護事業所(静岡)
2024年02月24日 福祉新聞編集部浜松市と静岡県三島市それぞれで、訪問介護事業所が感染症や災害などにより休業や縮小しても利用者にサービスを提供し続けられるよう「緊急時相互応援システム協定」を結んだ。県内初の取り組みで、事業所の運営継続につながることも期待される。
コロナ禍で事業所の休業や利用控えによる利用者の状態悪化がみられた中、県は切れ目のない支援を行う必要があると考えた。浜松市では10事業所が参加して13日に、三島市では8事業所が参加して16日に、それぞれ協定締結式が開かれた。
参加事業所はグループラインで情報をやりとりする。事前に利用者の状態やサービス内容などを記したトリアージ表(重症度に応じた優先順位)を作成しておき、休業などの緊急時に協力を求める。協力可能と答えた事業所にトリアージ表とケアプランを送り、サービスを代替してもらう。介護報酬は休業事業所が請求し、後で協力事業所にサービス代替分を支払う。
支援対象となる利用者は身体介護の必要性や認知症などにより訪問介護サービスがないと生命維持に影響が大きい人。利用者には事前に協定について説明しておく。緊急時の初回訪問時に同意を得ることとし、契約締結は不要とする。
県の担当者は「まずは訪問できる距離にある事業所で始める。今後は参加事業所を広げ、県内のほかの市町でも協定づくりを進めたい」としている。