児童養護施設にスポットの舞台「みんなの家 ひまわりの家」現場の現状を伝える
2023年09月14日 福祉新聞編集部
児童虐待をテーマにした舞台「みんなの家ひまわりの家」が８月２７日、聖光学院ラムネホール（横浜市）で上演された。同市内の児童養護施設や施設退所者による任意団体「ａｎｄ」とＮＰＯ法人夢の宝箱の主催。
作品は架空の児童養護施設「ひまわりの家」が舞台だ。限度を超えて勉強させる教育虐待を受けたこどもや、親に放置され餓死寸前だったこどもなど、実際の事件を元に物語が展開する。「困ったときは、いつでも帰ってきてね。ここはあなたたちの家なんだから」。最後に施設長はこう話し掛ける。
脚本を書いたのは、埼玉県で民生委員を１０年以上務める佐藤和恵さん（７１）。活動の中で児童養護施設や児童相談所を訪れ、もっとたくさんの人に現状を知ってもらいたいと執筆した。プロの役者や地域のこどもたちに声を掛け、２０１９年と２２年に埼玉で２度上演した。
今回の公演は、２２年に芝居を見た児童養護施設「聖母愛児園」（横浜市）の梛橋雄一統括主任が「ぜひ横浜でも」と直談判したのがきっかけだ。施設職員や退所者に呼び掛け「ａｎｄ」を設立、プロデューサーとしてスポンサー集めに奔走した。
地元紙や全国紙にも取り上げられ、当日は４５０人が訪れた。上演後、壇上に立った梛橋主任は「舞台を見て感じたことがあれば、僕らの仲間として何か１歩行動に移してほしい」と訴えた。
