こども家庭審議会が初会合 大綱に向け議論開始

2023年0501 福祉新聞編集部
あいさつする小倉大臣(左)と秋田会長

 こども家庭庁は4月21日、こども家庭審議会の初会合を開催した。今後5年間にわたるこども政策の基本的な指針となる「こども大綱」に向けた議論を開始する。委員には児童養護施設出身者を含む若者らが参加し、当事者の視点を生かす。また審議会の下に、社会的養育や虐待防止など3分科会と8部会を設置することも決まった。

 

 こども家庭庁設置法に基づく同審議会は、首相や関係大臣、長官の諮問に応じて、こども政策の重要事項を議論する。会長には秋田喜代美・東京大名誉教授が選ばれ、会長代理には五十嵐隆・国立成育医療研究センター理事長が就いた。

 

 秋田会長は「こどもの目線で考えることがこども基本法ができた意義だ。こども家庭庁という象徴的な省庁ができ、私たちに何ができるか一緒に考えたい」と話した。

 

 また委員は25人で構成され、現役大学生を含む20代が6人を占めたのが大きな特徴だ。

 

 田中れいか・たすけあい代表理事は7歳から高校卒業まで東京都世田谷区の児童養護施設「福音寮」で暮らした。その後、保育士資格を取得し、現在は、さまざまな事情で親と離れて暮らすこどもを支援する活動もしている。会合では、当事者としての経験を伝えるだけでなく、現在困っているこどもの声を届ける意欲を示した。

 

 このほか、あしなが育英会の奨学生である谷口和花菜さんや、ジェンダー平等な社会を目指す櫻井彩乃・GENCOURAGE代表らも入った。

 

 閉会にあたり、小倉將信・こども政策担当大臣は「これほど多世代で、さまざまな背景を持つ人が集まる審議会はかつてなかったのではないか」と強調。「エビデンスに基づいた知見を集め、違うことは違うとしっかり言うのもこども家庭庁の役割だ」と述べ、協力を求めた。

 

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