社会福祉法人主催の「芥川龍之介恋文大賞」 地域福祉文化に寄与
2023年04月13日 福祉新聞編集部千葉県長生村で障害者支援施設や高齢者施設を運営する社会福祉法人愛の友協会(日谷文雄理事長)主催の「第10回芥川龍之介恋文大賞」の表彰式が、隣接する一宮町の「一宮館」で開かれた。一宮館には、龍之介が妻になる塚本文に恋文を書いた離れ家と文学碑がある。
恋文大賞は、2013年5月の碑前際で作詞家や作家としても活動していた寺門栄・前理事長が作詞した鎮魂歌「恋文~芥川龍之介慕情」を披露したのをきっかけに、14年に同協会創設60周年事業として創設された。
初回は障害者のはがき恋文大賞だったが、2回目からは一般に拡大。文豪の冠は、一宮館女将の金澤悦子さんの尽力で龍之介遺族の了解を得られた。
節目となった第10回は、全国から446通の作品が寄せられ、大賞には北海道の介護福祉士・土井彰さん(63)が婚約者に宛てた作品が選ばれた。
選考委員長を務めた龍之介の孫でエッセイストの芥川耿子さんは「手紙は本当に良いもの。正直に描かれたものは心に響く。恋文大賞が20年、30年と続くよう願います」とあいさつした。
日谷理事長は「1948年の創設以来、地域の福祉を担ってこられたのも地域の支えがあったから。今後も恋文大賞を通じ地域を盛り上げ、地域福祉文化に寄与したい」と話している。