医療と福祉の視点 リハ専門職の役割や連携〈福祉新聞フォーラム予告〉
2022年09月14日 福祉新聞編集部実践報告 清水ゆり恵氏
リハビリ専門職は働く場所によって求められる役割が異なると捉えています。
特別養護老人ホームは生活の場という特色が強く、常時介護を必要とする高齢者や終末期を迎える入所者に対して、医療で提供されるような積極的な心身機能の改善を目指すリハビリ訓練は通用しにくいのが現状です。
医療と福祉の両方の視点を持ちながら、対象者個人だけでなく、職員も含めて、その人を中心に関わる全員にアプローチしながら、日々の生活を支えていくことが求められています。
つまり、安心できる生活をしたい、日々の暮らしを穏やかに過ごしたい、という本人や家族の思いに対して、職員は生活の中で具体的にどんな介護を提供するのか、そのために個々の入所者の人生を踏まえて職員とどんな関係性を築くのか、といった視点が肝要になります。ケアプランの作成時やモニタリングを踏まえたアセスメントを行う際、根拠に基づいて提案することができるのは、リハビリ専門職の強みです。
今回は、介護施設に勤務する専門職の役割や連携、作業療法士の視点を生かした生活リハビリの実践報告を中心に発表します。
しみず・ゆりえ 社会福祉法人六親会(千葉)特別養護老人ホームプレーゲ船橋、作業療法士。個別機能訓練指導員として勤務するとともに、介護職員の指導やケアの標準化を通した質の向上・サービス管理に従事する。