地域活動再開へ一歩 青空市場に集まろう〈足利市社協〉

2022年0815 福祉新聞編集部
高齢者と子どもが一緒に読み聞かせを楽しんだ

 栃木県の足利市社会福祉協議会は、新型コロナウイルスの感染拡大により中止になっている地域活動を再開するきっかけづくりとして昨年度から「買い物マルシェ~青空市場に集まろう」を始めた。

 

 マルシェは、閉じこもりがちな高齢者の身体、精神、社会性の衰えを防ぎ、コロナ前の付き合いや交流を取り戻すために、地区社協や自治会、老人クラブなどが実施主体となって、屋外で開く小地域交流会。

 

 7月26日に大前町4丁目おしゃべりサロンが主催したマルシェには、障害者福祉サービス事業所「ピーターパン」と「コミュニティカフェ横町」、子ども食堂「キッチンOZ」が焼きたてパンやかき氷、コーヒー、惣菜などを販売。初めて市の移動図書館とコラボし、絵本の読み聞かせも行われた。

 

 会場となった自治会館には、夏休み中の子どもや高齢者が訪れ、弁当やかき氷などを食べながら楽しそうにおしゃべりする姿が見られた。サロンの世話人で民生委員の原田永子さんは「近所同士で集まれる場所があればよいと思い、昨年開いたところみんな大喜びだった。高齢者の安否確認にもなる」と話す。

 

 マルシェの財源は歳末たすけあいの戸別配分の見直しで確保。1開催につき上限3000円を補助する。昨年度(15回)を上回る開催が期待されている。

 

 市社協の中西聖・地域福祉推進担当係長は「地域の居場所づくりの手伝いをするのが社協の役割。高齢者や子どもが集まり、そこで障害者が自分たちの作った製品を販売する機会があれば相互理解が進む。地域活動再開のきっかけだけでなく、共生社会づくりにつなげていきたい」と話している。

 

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