地域限定保育士、岡山県が実施意向 制度の全国展開見据え

2024年0304 福祉新聞編集部

国家戦略特区で実施されている「地域限定保育士」制度の全国展開を見据え、岡山県が導入の意向を示している。国は全国展開に向けた準備を進めている段階で開始時期は未定だが、県は来年度中にも導入できるよう当初予算案に事業費を計上した。

 

地域限定保育士は2015年度に国家戦略特区でスタート。自治体の試験に合格して地域限定保育士の登録後の3年間はその自治体限定で働くことができ、その後は一般の保育士と同様に全国で働ける。実技は講習を受講すれば修了となり、実技試験は免除される仕組みになっている。

 

神奈川、大阪、沖縄の3府県で実施されているが、全国の保育現場で人手不足が深刻化する中、確保策の一環として全国展開が必要だと判断した。

 

こども家庭庁が示す全国展開の方針案によると、年2回実施する通常の保育士試験でも不足する場合に限り実施できる。また、4年目以降可能となる全国勤務には、地域限定保育士として1年間以上の勤務経験を求めることで質の担保も図る。

 

保育士不足が全県的な悩みで、特に県北部で顕著な岡山県は、地域限定保育士を導入して保育士確保を加速させたい考えだ。

 

今年の後期試験で地域限定保育士の実技講習を実施し、試験合格者の受験手数料を全額補助できるようにするため、来年度当初予算案に関連経費1432万円を計上した。