電話リレーサービス普及へ議論 総務省が検討会立ち上げ

2025年1113 福祉新聞編集部
電話リレーサービスウェブサイト

総務省は10月29日、聴覚や発話に困難のある人が、手話や文字の通訳オペレーターを介して連絡できる「電話リレーサービス」の改善と普及に向けて議論する検討会を立ち上げた。利用者の確保や利用料(通話料)、通訳オペレーターなどの在り方を議論し、今年度内に報告書をまとめる。

同サービスは2020年12月施行の電話リレー法(聴覚障害者等による電話利用の円滑化に関する法)に基づき、公共インフラとして創設された。今年1月には通訳オペレーターを介さなくても電話相手の声を文字にする「ヨメテル」も始まった。どちらも24時間365日利用可能で、110番などの緊急通報もできる。聴覚障害者らが利用するには事前登録が必要で、今年10月時点の登録者数は同サービスが1万8599人、ヨメテルが3044人。

同サービスの提供は日本財団電話リレーサービス(リレー財団)が担っている。運営費には20社の特定電話提供事業者(NTTドコモ、KDDIなど)が納める負担金をもとに創設された交付金(24年度は30億5000万円)と利用料を充てている。

検討会の座長は関口博正神奈川大教授が務め、委員は障害者団体、リレー財団、有識者など9人で構成する。

同日発表された同サービス認知度調査の分析では、一般の人の認知度は2割。個人登録者からは24時間使えることなど評価が高く、予約や急ぎの連絡、問い合わせで多く利用されていた。

障害者団体からは同サービスやヨメテルの専用番号が050で始まるため迷惑電話として断られてしまうことや、通訳オペレーターの対応の差、一般通話料より高い利用料が課題に挙げられたほか、高齢で聞こえにくい人を中心に積極的な周知を求める意見もあった。

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