重い障害ある江里さんの自立に学ぼう 映画試写会に村木全社協会長

2024年0907 福祉新聞編集部
左から寺田監督、村木会長、西田理事長

心身に重い障害のある西田江里さん(千葉県浦安市、34歳)の生活を12年間記録した映画「江里はみんなと生きていく」(寺田靖範監督、91分)の完成披露試写会が8月30日、都内で開かれた。

トークセッションに村木厚子全国社会福祉協議会長が登壇し、「自立とは何かを考えさせる物語。こどもを手放す親の勇気が自立に必要であることも学べる」と称賛した。

言葉を話せず、24時間365日の介助が必要な江里さん。小学校は養護学校に行くよう通告されたものの、両親が交渉した末、地元の学校に入学した。

放課後は自宅を訪れる同級生と遊び、水泳を習う活発な江里さんだが、映画は人工呼吸器をつけること、1人暮らしすることへの周囲の葛藤も描いた。

母の良枝さんは障害福祉サービスを展開する社会福祉法人パーソナル・アシスタンスとも(浦安市)の理事長。江里さんの日常の介助を職員に依頼する保護者であり、そんな職員を採用して育てる雇い主でもある。

村木会長との対談で「私は江里に支えられた」と振り返り、人は誰もが支えたり支えられたりする存在だという点についてお互いの経験を語り合った。

寺田監督は「特に障害のある当事者にこの映画を見てほしい」としている。劇場公開は10月26日、東京都中野区の「ポレポレ東中野」ほかで。