市販薬乱用65万人 厚労省研究班が推計

2024年0823 福祉新聞編集部

せき止め薬や鎮痛剤などの市販薬を過去1年間に乱用目的で使った経験がある15~64歳は0・75%で、約65万人と推計されることが7月20日、厚生労働省研究班(嶋根卓也代表)の全国調査で初めて分かった。年代別人口に対する割合は10代が1・46%で最も高かった。

親からの虐待などにより生きづらさを抱えた若者の薬の過剰摂取が社会問題となる中、厚労省は特に若年層に市販薬を販売する際の規制を強化する方針だ。

調査は薬物乱用の実態把握のため隔年で行うもので今回が15回目。市販薬の乱用経験を調査項目に入れたのは初めて。2023年10~12月、住民基本台帳から抽出した5000人に調査用紙を郵送し、3026人から有効回答を得た。

違法薬物の年間使用経験は大麻が0・23%(約20万人)、覚醒剤が0・12%(約11万人)だった。研究班は大麻の乱用が増えているとみている。