強度行動障害に対応 複合サービス事業所「ブライト」を開設(広島)

2024年0517 福祉新聞編集部
一人ひとりに合った個別支援をする

広島県尾道市にある社会福祉法人尾道さつき会(平石朗理事長)は4月1日、市内に強度行動障害などがある人を支援する重度対応型複合サービス事業所「ブライト」(藤岡直管理者)を開設した。市内初となる日中サービス支援型のグループホーム(定員18人、短期入所2人)と生活介護(同20人)を整備し、24時間、安全に安心して暮らせるようサポートする。

強度行動障害は自閉スペクトラム症や重度知的障害の人が後から起こす「2次障害」のことで、その障害への対応は難しく、全国的な課題となっている。また、県内に専門的に支援する事業所は少なく、職員育成も課題となっている。

ブライトは川崎医療福祉大と連携して専門の先生を招き、現場で助言や職員研修などを行うことにより専門的支援と職員育成を図っていく。

自立に向けた個別支援では一人ひとりに合ったスケジュールを提供する。例えば、苦手な作業が終われば好きな余暇活動(買い物など)が待っているなど「見通しを持ち、自ら意欲的に活動できるようになるのが大事」(永井孝一・障害事業部長)と言う。

また、今後、関係機関と事例検討会などを開き、強度行動障害支援の地域拠点となるよう取り組む。

ブライトの敷地面積は1930平方メートル。グループホーム、生活介護棟とも木造2階建て。木の温もりを感じ、風や光が通る、くつろげる空間とした。総事業費は約6億2200万円。グループホームの入居者(平均29歳)はすでに決まっており、今月中に全員入居する。

全国老人福祉施設協議会の前会長でもある平石理事長は「原点は現場にある。社会課題に応えていくのが社会福祉法人。強度行動障害の人や家族の困り事、不安を受け止め、地域で支えていく」と話した。