精神科の拘束率8% 神奈川精神医療人権センターが冊子

2024年0116 福祉新聞編集部

神奈川精神医療人権センター(藤井哲也会長・横浜市)はこのほど、県内の精神科病院に入院する患者のうち、身体拘束された患者の割合が8・1%で、全国平均の4・2%を大きく上回ることを明らかにした。

 

精神科の入院患者に占める医療保護入院患者の割合は68・4%で、全国平均の50・4%を上回った。いずれも厚生労働省が毎年6月30日時点のデータを病院から収集する「630調査」の2022年分を、同センターが神奈川県に情報開示請求し、冊子にまとめた。

 

情報開示を拒む自治体もあり、今回の冊子は手に入りにくい情報を表に出した格好だ。同センターは強制入院の一つである医療保護入院が入院患者の3分の2を超えている点について「もはや医療という名に値しないのではないか」と批判。冊子には病院別の身体拘束率を比較できる一覧表も収めた。

 

「630調査」に基づく県内の精神科病院(70カ所)の情報を冊子にまとめたのは22年夏に続き2回目。1冊目は国会の審議でも取り上げられ、大きな反響があった。

 

今回の冊子は、県内の診療所(369カ所)と訪問看護ステーション(563カ所)における精神医療分野の専門スタッフの配置数や診療実績なども一覧できるようにした。

 

同センターによると、「630調査」の回答率は、精神科病院はほぼ100%であるのに対し、診療所と訪問看護ステーションは50%超にとどまる。

 

同センターは任意団体として20年5月に発足。23年9月までに入院患者やその家族からの相談を延べ576件受けてきたが、精神科の医療機関をめぐる情報を求める問い合わせが多いという。

 

冊子は1冊500円で頒布している。問い合わせはNPO法人さざなみ会内の同センター事務局(電話045・353・5711)まで。