盲ろうのトライアスロン選手・中田さんが石川県スポーツ大使に
2023年12月23日 福祉新聞編集部日本で唯一の盲ろうのトライアスロン選手、中田鈴子さん(57)が石川県スポーツ大使に委嘱された。11日に馳浩知事から委嘱状を渡された中田さんは「盲ろう者に興味を持ってもらい、ボランティアなどの輪が広がれば、盲ろう者に限らず多様な障害者がスポーツを楽しむ機会が増える」と意欲をみせた。
県スポーツ大使の委嘱は今年度から始まり、これまで金沢市出身で柔道のオリンピック金メダリスト、松本薫さんら22人・団体に委嘱された。
中田さんは同県を練習拠点の一つとし、県内のトライアスロン大会やマラソン大会などに出場し完走している。今後、県のスポーツイベントなどを通じて県民にスポーツの魅力や楽しさを伝えていく。馳知事は「多くの人が分け隔てなくスポーツを楽しめるよう活躍してほしい」と期待を寄せた。
中田さんは47歳でトライアスロンに初挑戦し、10年間で45回以上のレースに出場。ガイドが見つからず、練習できない時期もあった。会話は触手話(盲ろう者が話し手の手話を手で触って読み取る)なのでコミュニケーション面の障壁も大きい。今後の目標の一つは海外の大会に出場することだという。