障害福祉の収支差率微増 厚労省経営調査で5.3%

2023年1129 福祉新聞編集部

厚生労働省は15日、2022年度の障害福祉サービス事業所の収支状況などを調べた経営実態調査の結果を発表した。事業所の収支差率は全サービスの平均で5・3%。19年度の決算をもとにした前回調査と比べて0・3ポイント上がった。厚労省は「全体として収支差率は横ばいと言える。物価高騰の影響はみられない」と分析している。

 

19年度決算と比べ、事業所の平均収入は減り、平均支出はそれ以上に減った。平均の職員数も減り、職員1人当たりの給与費(年間)は約53万円上がったことも分かった。

 

調査は24年度改定の基礎資料とすることが狙い。収支差率が高いと経営に余裕があるとみなされ、報酬改定の際に引き下げられる可能性がある。

 

個別のサービスでみると、居宅介護など訪問系と就労継続支援A型事業、同B型事業、自立訓練(生活訓練)、グループホーム(日中サービス支援型、外部サービス利用型)の収支差率が下がった。

 

相談系サービスの地域定着支援は収支差率が大幅に下がり、赤字に転じた。一方、相談系サービスの中でも自立生活援助、計画相談、障害児相談の収支差率は上がった。

 

障害児のサービスでは未就学児が通う児童発達支援は前回改定での報酬アップを反映して収支差率が上がったが、逆に、就学児が通う放課後等デイサービスは下がった。

 

調査は今年6~7月に実施。1万6798施設・事業所を対象とし、有効回答は9147だった。