ケアマネの処遇改善を 介護報酬改定で東京都が国に提言

2023年1021 福祉新聞編集部

来年度の介護報酬改定に向け、東京都は10月、国に緊急提言した。介護支援専門員(ケアマネジャー)不足で介護サービスへの影響が既に生じているとし、安定的な確保に向けた処遇改善を求めた。

 

都内では介護職員よりもケアマネの方が平均月給は高いが、介護職員に対する処遇改善加算などを背景に給与差は縮小。都の調査によると、2012年度は平均月収の差が約5万7000円あったが、昨年度には約2万4000円まで縮まっている。

 

平均月収の上昇幅を比較すると、介護職員は昨年度までの過去10年でおよそ4万1000円上昇。一方、ケアマネは10年前から9000円ほどの上昇にとどまっている。

 

都内で勤務するケアマネは1万4435人(21年度)で、19年度をピークに横ばい。都内事業所からは高齢化による離職などでケアマネが不足しているとの声が上がっている。

 

現に居宅介護支援事業所1事業所当たりの利用者数は増加傾向にある。人材不足で新規利用をセーブする事業所の割合がおよそ42%に達することも都の調査(22年度)で明らかになっている。

 

こうした状況を踏まえ、緊急提言では「介護支援専門員の確保は直ちに対策を取るべき喫緊の課題」だとし、「専門性に見合った給与となるよう、処遇の改善を図られたい」と訴えた。