新宿区の更生施設を救護施設へ建て替えへ 特別区社会福祉事業団が運営

2025年0321 福祉新聞編集部
完成イメージ

特別地方公共団体である特別区人事・厚生事務組合(特人厚)は、更生施設「淀橋荘」(新宿区)を救護施設にするための建て替え工事を計画している。指定管理により社会福祉法人特別区社会福祉事業団が運営しており、2028年4月以降の運営開始を目指す。

淀橋荘は、1946年12月に単身浮浪者就労保護施設「東京都淀橋一時保護所」として発足した。その後、65年4月に東京都から新宿区に事業移管、67年に特人厚へ事業移管され、95年に更生施設となり現在に至る。

所在地は北新宿4丁目、現地での建て替えとなる。建て替え後の救護施設の定員は70人。宿所提供施設も継続して併設する。

特人厚は更生施設の救護施設化について、利用者の高齢化・施設の老朽化に加え、経済的自立を図ることが困難な身体障害者・精神障害者が多くを占めており、ニーズに即した支援に転換するためとしている。

特人厚が設置・管理する淀橋荘以外の6カ所の更生施設の救護施設化や、女性専用救護施設の新設については、救護施設化後の淀橋荘の運営状況や財政課題などの効果検証を行い、33年度に中間見直しとして策定予定の同整備計画において、改めて方向性を示すという。

厚生労働省の統計によると、24年4月時点で全国に救護施設は186カ所、更生施設は18カ所ある。このうち、都内にある救護施設は10カ所で、すべて市部に設置されている。


特別区人事・厚生事務組合=特別区(長)の権限に属する事務の一部を共同して処理するため1951年に設立した組織で、構成団体は特別区である東京23区。生活保護法や社会福祉法に基づく施設を設置・管理している。

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