財政収支、来年度は赤字 内閣府試算、歳出・歳入改革へ
2025年01月25日 福祉新聞編集部内閣府は17日の経済財政諮問会議で、財政健全化の指標となる国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)が2025年度に4兆5000億円程度の赤字になるとの試算を示した。
政府が掲げてきた25年度の黒字化は未達成となる。ただし、赤字幅は01年度以降で最も小さく、26年度は黒字になるという。
会議では複数の民間議員から、現役世代の将来不安を解消するため、社会保障と税の一体改革を進め、給付と負担を見直すよう求める意見が上がった。
石破茂首相は「着実に財政状況は改善している。早期の黒字化に向けて潜在成長率の引き上げに取り組むとともに、歳出・歳入両面からの取り組みを継続する」と語った。
内閣府は、国の一般会計における社会保障関係費の今後の見通しについて、高齢者の労働参加率や生産性の上昇幅を二つのパターンに分けて示した。
24年度の社会保障関係費は38兆6000億円のところ、34年度は過去投影ケースでは43兆9000億円。労働参加率などの上昇幅を大きく見込んだ成長移行ケースでは48兆4000億円となる。
PBは社会保障などの政策経費を、借金に頼らずに賄えるかを示す指標。24年7月の試算では25年度に黒字になるとの見通しだった。達成すれば1991年度以来34年ぶりとなるところだった。