働きやすい介護の職場 総理大臣表彰に六甲の館(兵庫)

2024年0914 福祉新聞編集部
岸田文雄首相(右)から表彰される六甲の館の溝田弘美施設長

政府は3日、働きやすい職場環境づくりに取り組む介護事業者の表彰式を首相官邸で行った。内閣総理大臣表彰には社会福祉法人弘陵福祉会(兵庫)が運営する特別養護老人ホーム「六甲の館」が選ばれた。

表彰は政府が2022年末にまとめた「介護職員の働く環境改善に向けた政策パッケージ」に基づき、昨年度から始まった。

六甲の館は「利用者ファーストのための職員ファースト」を掲げており、職員の待遇改善や生産性向上に取り組んだ。

具体的には、人力で抱えない「ノーリフティングケア」に向けて天井リフトを23台導入。すべての利用者に見守り機器も取り入れた。このほか、外国人職員には、日本語学校の授業料や居住費などを支援した。

こうした取り組みの結果、職員の離職率は24年2月時点で3%にまで減少。かつて半数以上に上った腰痛を訴える職員は9%にまで下がった。また、年間で880時間だった残業時間も76時間にまで減少するなど生産性も上がった。

このほか、厚生労働大臣表彰優良賞には社会福祉法人平鹿悠真会(秋田)の特養ホーム「悠西苑」や、社会福祉法人隆生福祉会(大阪)の特養ホーム「ゆめあまみ」など5団体が受賞した。

また、奨励賞には社会福祉法人ほたか会(群馬)の特養ホーム「川場春光園」など63団体が選ばれた。