職員採用にYouTubeやバイト仲介も活用 経営協大会分科会で事例発表

2024年0910 福祉新聞編集部

全国社会福祉法人経営者協議会(磯彰格会長)が8月29日に開催した全国大会では、5テーマで分科会が開かれた。経営の多機能化などをテーマにした分科会では、博愛会(大分)の釘宮謙悟氏、みなみ福祉会(名古屋)の荒井宏行氏、天竜厚生会(浜松)の櫻田直希氏、愛知たいようの杜(愛知)の福田由貴子氏らが登壇した。

障害者施設などを運営する博愛会は、職員採用がうまくいかず求人費用が増えたため、ユーチューブを活用したPR活動を実施するなど多様な取り組みの結果、職員の紹介による採用や退職した職員の復帰が増えたという。釘宮氏は「法人として『やさしさ日本一』を掲げたことで好循環が生まれた」と話した。

保育所などを運営するみなみ福祉会の荒井氏は採用活動の状況を報告した。大手求人媒体に約10万円を支払い、職場の人間関係を伝える記事を掲載したが応募はゼロだった。

一方、短時間バイト仲介サービスで募集すると、約3万円で10人の応募があった。荒井氏はそのまま雇用しても追加費用がないため、可能性を感じたと説明。ただ、教育コストなどの課題も挙げた。

そのほか、天竜厚生会の櫻田氏は外国人職員の採用について報告。愛知たいようの杜の福田氏は採用活動の生産性向上に向けたホームページ管理の内製化について説明した。

辻村泰範経営協経営強化委員長は各法人の取り組みを評価し、「できない理由は誰でも見つけられる。やるべき課題のヒントを持ち帰ってほしい」と会場に呼び掛けた。