医療・介護、AI活用で省力化必要 経済財政白書が提言

2024年0813 福祉新聞編集部

政府は2日、2024年度の経済財政白書を発表した。労働力不足が深刻な医療・介護については、他産業からの労働力の移動に頼るのではなく、AI(人工知能)の活用などによる省力化を進め、生産性の向上を図ることが必要だとしている。

白書は医療・介護は生産性が低い半面、これまで労働力の投入を増やしてきた分野だと指摘。そうした労働力の投入が、マクロの生産性上昇という点でマイナスの影響を与えたと分析した。

医療・介護を「社会的なエッセンシャルワークであり、市場原理にはなじまず、必要な人材を確保することが重要」としつつ、少ない人手でも成果を上げられるよう体質改善を求めた。

また、高いスキルを持つ外国人労働者に日本で長く働いてもらうことが重要だとし、母子保健をはじめとした医療サービスなどに外国人がアクセスできるような環境整備が求められるとした。

白書の副題は「熱量あふれる新たな経済ステージへ」になっている。前文では現在の情勢について「投資や賃金を抑えるコストカット型経済から民需主導の成長型経済という新しいステージへの光が差している」と評した。