福祉法人の経営が改善 介護報酬増が影響(福祉医療機構)

2024年0728 福祉新聞編集部
WAM発表資料より

福祉医療機構(WAM)は9日、「社会福祉法人経営動向調査」の結果を公表した。調査は4半期ごとに行っているもので、法人の業況や特別養護老人ホームのサービス活動収益など改善したことが分かった。WAMは「依然として厳しい経営状況にあるが、4月に介護報酬がプラス改定され、若干好転したと考えられる」と推察している。

調査は6月に特養を運営する527法人を対象に実施(有効回答率74%)。各指標について「良い」「普通」「悪い」の3択で尋ね、「良い」から「悪い」を引いたDI(景気動向指数)を集計している。

法人の業況DIはマイナス9、サービス活動収益DIはマイナス1、資金繰りDIはマイナス18と依然低調だが、3月調査と比べるとそれぞれ6ポイント、15ポイント、2ポイント改善した。

一方、特養のサービス活動収益DIは13ポイント増えて6年ぶりに0となった。サービス活動増減差額DIはマイナス9、サービス活動収支DIは3、稼働率DIはマイナス12だが、いずれも3月調査より7ポイント、8ポイント、5ポイント改善した。ただ、介護職員確保DIは2ポイント悪化し、マイナス86となった。WAMは「他産業の賃上げで介護職員確保は厳しくなっている」と分析している。

調査では6月に一本化された介護職員等処遇改善加算について、9割の特養が最上位の区分1.を算定している(予定含む)ことも分かった。