老人保健施設の4割が赤字 悪化傾向止まらず(医療福祉機構)

2024年0317 福祉新聞編集部

2022年度決算で老人保健施設の42%が赤字であることがWAMの分析で分かった。前年度より8ポイント増えた。10年前の赤字割合(13%)と比べても著しい経営悪化が続いている。

 

収益率は0・8%で前年度から2・1ポイント下がった。原因の一つは利用率の低下で、入所は0・3ポイント減の87・7%、通所は0・7ポイント減の61%だった。また、人件費と水道光熱費などの経費が増えたことも影響している。人件費率は62・4%で前年度から0・7ポイント増加。経費率も21・6%で1・3ポイント上昇した。

 

老健の五つの施設類型別(超強化型、在宅強化型、加算型、基本型、その他型)にみても、すべてで収益率が前年度より落ち込んでいる。在宅強化型はマイナス0・2%、その他型はマイナス2・3%でマイナスに転じた。

 

事業収益を増やすには上位の施設類型に移行することも有効とされる中、在宅強化型から超強化型への移行が12%、基本型から加算型への移行が6%あった。

 

WAMは、新規入所者確保による利用率の向上と、費用に見合った収益の確保を経営改善のポイントに挙げている。分析は1562カ所の老健を対象に行った。