ヤマト福祉財団小倉昌男賞 福祉楽団の飯田理事長、オリーブの樹の加藤理事長

2023年1228 福祉新聞編集部

障害者の雇用創出や労働条件改善などに貢献した人を表彰する「ヤマト福祉財団小倉昌男賞」の第24回贈呈式が7日、日本工業倶楽部(東京都千代田区)で開かれた。社会福祉法人福祉楽団(千葉)の飯田大輔理事長と、社会福祉法人オリーブの樹(千葉)の加藤裕二理事長が表彰された。

 

福祉楽団は「恋する豚研究所」という就労継続支援事業所を運営。地場産業の養豚を行い、製品を都内の百貨店などに卸すなどブランド化に成功した。初年度に200万円だった売り上げを、10年で3億5000万円まで伸ばすなど卓越した営業センスが評価された。

 

就労継続支援A型・B型事業を運営するオリーブの樹はクッキーなどを製造。また、地域の酪農家と組んでアイスクリームの新商品も開発した。40年にわたり利益とともに障害者の幸せを追求してきたことが評価された。

 

贈呈式で飯田理事長は、2003年頃に小倉氏のラジオを聞いたエピソードを披露し「現在、月給10万円を超える利用者も出てきた。引き続き小売店などとも協力して商売をしたい」と話した。

 

加藤理事長も、かつて小倉氏が講演会で「稼ぐのはいいこと」と話していたことが法人の柱の一つになっていると紹介。今後、非行に走る障害のある若者の支援にも取り組みたいと語った。

 

山内雅喜・ヤマト福祉財団理事長は「受賞された2人は福祉の人であると同時に経営の人でもある。新たなチャレンジで道を切り開いてこられた」と称えた。

 

同財団は障害のある人の自立と社会参加を目的に1993年に設立。ヤマト運輸社長だった小倉氏が、退職後に個人資産の大半を寄付してつくった。ヤマトグループ社員も会費などで支援している。