基本報酬増求める声 介護報酬改定に向け関係団体と意見交換

2026年0922 福祉新聞編集部

 2027年度の介護報酬改定に向けて厚生労働省は、社会保障審議会介護給付費分科会で関係団体との意見交換を始めた。施設や居宅サービスなどテーマごとに4回にわたり開催。関係団体からは物価高騰などによる厳しい経営実態を背景に、基本報酬の引き上げを求める声が相次いだ。

 介護報酬改定にあたっては、従来、関係団体にヒアリングしていたが、今回からより議論を重視する。関係団体は事前に提出した資料を基に要望などを説明した。施設系サービスをテーマに開かれた14日の会合には、11団体が参加した。

 全国社会福祉法人経営者協議会の柿本貴之高齢者福祉事業経営委員長は、会員の特別養護老人ホームを対象にした調査で約半数が赤字である状況を説明。基本報酬の引き上げと職員のさらなる処遇改善を求めた。

 また、テクノロジー導入への継続的な支援も訴えた。生産性向上推進体制加算については、月100単位の加算Ⅰと月10単位の加算Ⅱで取得率に大きな差があることから、中間的な加算の創設を要望。導入に関する地域差の是正も求めた。

 このほか人口減少が進む中で、介護・障害・保育など分野を超えて、柔軟に人材や財源を活用できる仕組みの必要性を主張。各分野の処遇改善の一元化や、複数資格の取得推進も要請した。

 日本認知症グループホーム(GH)協会の野村陽平常務理事は、GHの3割が赤字である現状を話し、小規模事業所でも安定して経営できる報酬を求めた。各種加算が40種類にも上り「取得要件や事務作業も煩雑化している」と指摘、簡素化を求めた。

 全国軽費老人ホーム協議会の荒川透理事長もケアハウスの6割が赤字だと紹介。「多くの自治体で長年、事務費の改定が据え置かれている」と指摘し、政府による実効性のある指導を求めた。

 意見交換では、委員の小泉立志全国老人福祉施設協議会副会長が、各分野における処遇改善の一元化を求めた経営協の意見に賛同し、「日々現場の経営者が直面している切実な課題だ」と述べた。

 これに対し柿本委員長は、法人内で高齢分野から障害分野へ異動する際、処遇改善による手当の内容が変わるケースもあるとし「人材育成の面からも硬直化している」と応じた。

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