財務省の私大削減案に懸念 日本ソーシャルワーク教育学校連盟が緊急声明

2026年0526 福祉新聞編集部
日本ソーシャルワーク教育学校連盟のウェブサイト

 日本ソーシャルワーク教育学校連盟(ソ教連、中村和彦会長)は8日、財務省が提案している私立大学の削減案について懸念する緊急声明を発表した。福祉系大学の機械的な削減は地域を支える基盤が失われるとして、維持するための支援策などを要望。ソ教連は「福祉系大学を減らせば、適切なサービスを受けられない高齢者が続出する」と危機感を募らせている。

 財務省は4月23日に開いた財政制度等審議会の分科会で、2024年時点で624校ある私大の4割を40年までに削減するよう提案した。

 背景には18歳人口の急減がある。24年時点では109万人で、1989年より89万人も減少。一方、私大数は813校と314校も増え、半数以上が定員割れとなっている。この結果、財務省は義務教育で学ぶ内容の授業をする大学もあると批判している。

 これに対し、松本洋平文部科学大臣は4月24日の会見で「機械的に判断するのではなく、分野や地域のリバランスを図りながら質の高い大学教育を実現することが重要」と説明。地域の福祉や医療、産業、インフラなどを支える人材と高等教育へのアクセスの確保を目指すべきとの考えを示した。

 ソ教連の声明はこうした松本大臣の見解について支持を表明した。福祉系大学の削減は単に一つの教育機関の減少だけでなく、地域を支える専門職養成の循環がなくなると訴えている。

 その上で声明は、機械的な縮減ではなく、専門職の養成機能や卒業生の地域定着、自治体と福祉現場の連携などを総合的に評価するよう要請。社会人学生の受け入れや大学間の連携などにより、地域に必要な福祉人材の養成機能を維持する支援策を求めた。

 また今後、養成校だけでなく福祉事業者や社会福祉協議会、自治体などの意見を十分に聞くよう訴えている。

 ソ教連は現在、社会福祉士や精神保健福祉士を養成する大学や専門学校など242校で構成。すでに少子化の影響で2017年の280校から2割減少している。会員校が送り出す卒業生は年1万8000人以上に上る。

 ソ教連は「一度なくした養成校を復活させるのは不可能に近い。これから国内の高齢者が増加するにもかかわらず、福祉系大学を減らせば、適切なサービスを受けられないケースが続出するのは間違いない」と話している。

0 Comments
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る