政府予算、社会保障費39兆円 介護、障害報酬改定へ

2026年0110 福祉新聞編集部
円グラフを使って予算の説明をする黄川田大臣

政府は昨年12月26日の閣議で2026年度予算案を決定した。一般会計総額は122兆3092億円と過去最大を更新した。社会保障費は前年度比2%(7621億円)増の39兆559億円。物価高に対応するため診療報酬を26年度は2・41%(2348億円)引き上げることが影響した。

介護報酬、障害報酬も26年度に臨時改定し、それぞれ2・03%(518億円)、1・84%(313億円)引き上げる。厚生労働省は介護や障害福祉の職員の賃金が最大で月1万9000円上がると説明する。

同日、高市早苗首相は記者団に「どこに住んでいても必要な医療・福祉、質の高い教育を受けることができる日本をつくるには、強い経済が必要だ。診療報酬改定、介護報酬改定を始め、経済・物価動向を適切に反映した」と語った。

生活保護については現行の特例加算(1人当たり月額1500円)に10月から1000円上乗せする。一方、薬価の引き下げで1063億円、高額療養費制度の見直しで300億円を削減する。

誰でも保育、全国展開

こども家庭庁の予算は新制度にも対応するため、一般会計、特別会計の合計が前年度比2・3%(1686億円)増の7兆4956億円に膨らんだ。発足した23年度の予算と比べ約3割増えた。

第1の柱は保育の充実で、26年度はこども誰でも通園制度を全国展開する。認可外保育施設を利用する保護者の利用料負担軽減も10月から始める。

障害児保育をめぐっては、作業療法士などの専門職の配置を促す。専門職を保育士とみなして配置できるようにする。保育士の処遇改善(5・3%増)、病児保育の広域連携も進める。

性暴力防止法施行へ

第2の柱は12月施行予定のこども性暴力防止法への対応で27億円を計上した。児童福祉施設など、こどもと接する仕事に就く人の性犯罪歴の有無を確認することから、その体制整備に充てる。
第3の柱はこどもの貧困対策や社会的養護の充実だ。自治体が公民館を活用し、長期休暇中のこどもの食事を集中支援する事業を創設する。

ひとり親家庭のこどもの自然体験などの機会を増やすことや受験生の学習支援も拡充する。児童相談所の専門性の高い職員の賃金は最大で月5万円引き上げる。児童養護施設の職員の賃金は4・9%上げる。

支援金制度スタート

政府の「こども未来戦略加速化プラン」に必要な財源のうち、特別会計に入れる支援金制度も始まる。医療保険に上乗せして計6436億円を徴収する。

被用者保険加入者の場合は年収が600万円なら月額575円を負担する。この制度には根強い批判があるが、黄川田仁志大臣は26日の会見で「こどもへの投資は社会全体、未来への投資だ。すべての人に意義がある」と述べた。

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