妊産婦援助事業スタート 福祉法人代表の共同体に委託〈名古屋市〉

2025年1216 福祉新聞編集部
名古屋市ウェブサイトより

名古屋市は今冬、家庭生活などに困難を抱える特定妊婦や出産後の母子への生活支援などに当たる「妊産婦等生活援助事業」を、社会福祉法人が代表を務めるコンソーシアムに委託して始めた。

同事業は児童福祉法の改正に伴い2024年度からスタート。一時的な住まい、食事を提供するほか、医療機関受診や行政手続きなどに同行。利用者の状況に応じた支援計画を作成したり、予期せぬ妊娠やこどもの養育、自立に向けた相談に対応したりするなど産後の自立までサポートする。

都道府県や政令指定都市などが実施主体となり、大半は委託で母子生活支援施設や乳児院、医療機関などが運営している。補助基準額(基本分は1カ所当たり3025万円)の半額は国が負担する。

12月に同事業を始めた名古屋市は、市内で児童養護施設や乳児院を運営する社会福祉法人中央有鄰学院(同市緑区)と、予期しない妊娠で困っている女性を支援するNPO法人いるから(同市)によるコンソーシアム「あん」を委託事業者に選定した。

中央有鄰学院が運営する施設で実施。コーディネーターと看護職、母子支援員の3人を配置。滞在用の2部屋を用意したほか、電話、メール、LINEで年中無休、午前11時から午後8時まで相談に対応する。

こども家庭庁によると、妊産婦等生活援助事業の実施状況は4月1日時点で30自治体の33カ所。東海地方では岐阜県が取り組み、日本児童育成園、カトリック名古屋教区報恩会の2社会福祉法人が運営する乳児院が実施している。

同庁は全都道府県で同事業の展開を目指している。来年度予算概算要求では就労等定着支援員の配置などに対し、費用の一部を補助する新規メニューを盛り込むなど自立支援の一層の強化を図りたい考えだ。

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