国会閉幕 年金成立、医療は継続 少数与党、異例の修正

2025年0628 福祉新聞編集部

第217通常国会が6月22日、閉幕した。政府の新規提出59法案のうち、改正児童福祉法など58本が成立した。自民、公明の少数与党の国会運営となり、2025年度予算案や年金改革法案など、野党の修正要求に応じる場面が目立った。医師偏在是正策を盛り込んだ医療法改正案は審議時間を確保できないため成立せず、継続審査となった。

石破茂首相は23日夜の会見で「責任与党として一定の成果を残せた」と振り返った。

今後については医療、介護、保育、福祉分野の公定価格引き上げを表明。野党が掲げる消費税の減税については「適切だとは思わない」とけん制した。

今国会における修正の始まりは25年度予算案だった。高校無償化を主張する日本維新の会の賛成を取り付けて成立した25年度予算の審議は、衆議院で修正、参議院で再修正する異例の経過をたどった。

再修正の原因は、高額療養費制度をめぐる予算の変更だった。

同制度の患者の負担上限額引き上げ案は批判を浴び、微修正した末に凍結が決定。秋までに再検討することになり、衆院では患者団体の参画を求める決議が採択された。

年金改革法案も提出が予定より2カ月遅れた上、与党内で削除された基礎年金の底上げ検討規定が、立憲民主党の修正案に促される形で復活した。

医療法改正案は医師偏在の是正策のほか、都道府県が作る地域医療構想に在宅医療や介護との連携、精神科医療も含めるもの。実質的な審議がされないまま会期末を迎えた。

一方、自民、公明、維新の3党は病床を今後2年間で約11万床削減することで合意。医療法については「本年における成立に限定して責任を持って努力する」とした。