保険外サービス規模拡大を 配食、終活、資産管理など〈経産省検討会〉

2025年0608 福祉新聞編集部

経済産業省の高齢者・介護関連サービス産業振興に関する戦略検討会(座長=駒村康平慶應義塾大教授)は5月28日、介護保険外のサービスの成長に向けた報告書をまとめた。福祉関係者と民間企業が連携し、課題解決と収益性の確保を両立させる「産福共創」をコンセプトに掲げ、具体的に配食サービスや終活などを紹介。今後モデル事業も行い、市場規模の拡大を目指す。

報告書は保険外のサービスについて、主に在宅で暮らす人を対象にした「高齢者・介護関連サービス」と位置付けた。

具体的には、配食サービスなどの食事や買い物、家事といった日常生活支援のほか、定期訪問などの見守り、終活、資産管理など17事業を提示した。

報告書は公的介護保険と組み合わせて提供するケースも同サービスに含むとしている。そのため、デイサービスが行う自費の介護予防教室や、介護付きの旅行サービス、通所系の事業と外出支援との組み合わせなども考えられるという。

同サービスの提供主体として、民間企業やNPO法人などを想定。報告書に記載はないものの、「社会福祉法人や社会福祉協議会も含まれる」(経産省)という。

今後、民間連携に関する自治体のインセンティブについて検討。人口密度などによる地域性ごとに先進的なモデルを作り、普及も進めたい考えだ。

経産省は「福祉関係者は既存の公的制度の維持に意識が向き、民間企業との連携に前向きではないのが現状」と指摘。「民間企業にも非営利的側面があり、潜在的には高齢者福祉に貢献できる。地域課題の解決と事業収益性確保の両立こそがこれからの地域に必要になる」と話している。

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