福祉向上で3者表彰 第54回毎日社会福祉顕彰
2024年11月11日 福祉新聞編集部福祉の向上に尽くした個人、団体を表彰する第54回毎日社会福祉顕彰(毎日新聞社会事業団主催、厚生労働省、全国社会福祉協議会後援)の贈呈式が10月31日、東京都内で開かれ▽NPO法人JFCネットワーク(東京都、鈴木雅子理事長)▽社会福祉法人いなりやま福祉会の酒井勇幸常務理事(長野県)▽社会福祉法人やまなみ会やまなみ工房(滋賀県、山下完和施設長)の2団体と個人にそれぞれ顕彰額と賞金100万円が贈呈された=写真。
国籍取得など支援
JFCはジャパニーズフィリピーノチルドレンの略称で、フィリピン人女性と日本人男性などとの間に生まれたこどもが父親から認知されず、経済的、精神的に困窮しているケースが目立ち始めたことから1994年に設立。弁護士らと養育費の請求や国籍取得など母子の支援を続けてきた。
共同作業所を開設
いなりやま福祉会の酒井常務理事は視力に先天的な障害を持つ80歳。盲学校を卒業後、地元の福祉施設に勤めながら、仲間を集めて長野県では初の「いなりやま共同作業所」を開設した。2003年に法人認可を受け、千曲市稲荷山地区に知的障害者の通所授産施設をはじめ、就労支援事業所、生活介護作業所、グループホームなどを開設した。
自由な発想でアート
やまなみ工房は1986年、滋賀県甲賀市に知的障害や精神障害を持つ人たちが、自由な発想で陶芸や手工芸に取り組むアートの共同作業所として開設。96年に社会福祉法人の認可を受け、現在の工房を完成させた。障害者たちに「したいことを楽しんでもらう」を大切にしている。想像性豊かな芸術作品としてニューヨークで個展を開くアーティストも生まれた。通所者が描いたデザインは、バッグや和菓子の包装紙に採用されるようになった。