旧優生保護法訴訟 岸田首相「責任は重大」 原告に謝罪、早期解決目指す
2024年07月29日 福祉新聞編集部障害を理由に不妊手術を強制した旧優生保護法を違憲とし、国に賠償を命じた最高裁判所判決を受け、岸田文雄首相は17日、原告の障害者ら130人以上と首相官邸で面会し、「政府の責任は極めて重大。心から申し訳なく思っており、政府を代表して謝罪を申し上げる」と述べ、障害者らに直接謝罪した。
また、20年たつと賠償請求できない「除斥期間」の主張は撤回する方針を表明。一連の訴訟について「和解による解決を速やかに目指す」と話し、新たな補償の創設については本人と配偶者も含めて幅広く対象とする考えも示した。24日には超党派の議員連盟プロジェクトチームが発足し、次の国会に向けて新たな補償制度などに関する議論を始めた。
17日の面会後に会見した原告の障害者は「おわびの気持ちが伝わった」「気持ちが晴れた」と謝罪を受け入れた。一方で「苦しみは一生消えることはない」「謝るのが遅すぎた」、今後に向けて「差別のない社会をつくってほしい」「しっかり補償してほしい」など、それぞれが思いを語った。
面会では原告側から岸田首相に優生保護法問題の全面解決要求書も手渡された。全被害者に対する速やかな補償、差別根絶に向けた立法措置、関係省庁との継続的な協議の場の設置などを求めた。