交流通じ実践学ぶ 都社協主催の東京保育研究大会
2024年07月16日 福祉新聞編集部東京都社会福祉協議会が主催する第66回東京都保育研究大会が6月20日、国立オリンピック記念青少年総合センター(渋谷区)で開かれた。
同日の分科会に先立ちオンラインで配信された全体会で、下竹敬史・東社協保育部会長は「多彩なコミュニケーションを通じてさまざまな事柄を学ぶ場になれば」と述べた。
同日は8分科会を実施。2歳児がテーマの分科会では、大久野保育園(日の出町)の近藤美智代主任らが登壇し、2018年から始めた幼児クラスへのスムーズな移行に関する研究について話した。
同園は3~5歳児を同じ教室で受け入れており、生活スタイルが乳児とは劇的に変わる。そのため段階的に移行時期を前倒して分析したところ、10月が最も穏やかだったという。近藤主任は、5歳児が2歳児をお世話するのを後押しする取り組みも話し「発達の連続性を意識することが大切」などと語った。
これに対し助言者の寺田清美・成徳短大特任教授は「2歳までに受けた支援内容は長期的に影響する」などと述べ、育ちの変化に応じた実践が重要との考えを示した。
別の分科会では、聖ヨゼフ保育園(渋谷区)の山下翔太副主任が、近隣に住む子育て家庭の相談にのる「地域支援」の実践について語った。
同園は乳幼児と保護者を対象にした「子育てひろば」を定期的に開催。地域の子育ての輪が広がる機会を増やしているという。
また園の入口に意見箱を設置するなど在園児の保護者の悩みにも寄り添う。このほか、近隣の保育所や小学校と年に数回交流する取り組みも紹介した。
山下副主任は、園長がブログで外部に保育実践を発信するなど開かれた園づくりを目指していると強調し「保護者や地域住民、関係機関との連携を深めることで、より良い育ちにつなげたい」と語った。