福祉・医療向けアウトリーチ事例集発行 東海村社協(茨城)

2024年0508 福祉新聞編集部
東海村における多様なアウトリーチのかたち

茨城県の東海村社会福祉協議会(中村正美会長)が福祉や医療専門職向けにアウトリーチに関する事例集を発行した。

同社協は2022年度から厚生労働省の重層的支援体制整備事業に着手。相談の場に来られない人を対象にしたアウトリーチに力を入れており、10事例をまとめた。

民生委員からの情報提供でつながった知的障害のある70代男性の事例では、社協職員が自宅を訪問しても支援を拒否したため、近隣住民による見守りを継続。しかし、男性にがんが見つかったことをきっかけに、民生委員や地域包括支援センターも含めた話し合いの場を設け、日常生活自立支援事業の契約が決まったという。

同社協は関係機関との情報共有も綿密に実施。地域住民や親族も巻き込み役割分担を明確にすることで、亡くなるまで男性の希望通りの生活ができたという。

事例集では、通信アプリ「LINE」を活用した相談窓口が支援につながった事例や、引きこもりの20代に対してeスポーツをきっかけに関係を築いたケースなども紹介している。